東京地裁民事6部合議A係 103号法廷
事件番号 H26(ワ)9825 
安倍首相靖国神社参拝違憲確認等請求事件

第1回口頭弁論9月22日 東京地裁 14:00~

標件については下記のように速報します。空花

(1)東京地裁第103号法廷で、9月22日(月)14時から開廷。
収容席数は98のところ、一般傍聴には67席しか割り当てなし。
したがって傍聴希望者142名の半数しか入廷できなかった。
担当裁判官は東京地裁民事第6部合議Aで、裁判長(谷口園恵)
丸顔小柄なおかっぱ頭の女性裁判長。よく声が通って聴きやすかったという印象。
冒頭カメラ撮影で、廷内静寂。 被告側代理人はそろって正面を向き、堂々としている反面、
原告側代理人は伏し目がちで頼りなげな表情。

(2)まず原告側意見陳述と代理人による訴状の読み上げに約1時間消費された。
原告A 関千枝子 昭和7年生まれ、広島県立第二高等女学校二年生の8月6日、広島原爆投下の日は学校を休んでいたため被爆しなかったが、仲間は爆死。
準軍属扱いで靖國合祀となる。当時は喜んで死ぬことを教育されていた。戦死者は「誉」だった。
自分は「某大新聞の記者」を経験(実は毎日新聞)其の後は平和市民活動家として本も出す。

なぜ仲間は、靖国神社に合祀された? 靖国神社は「戦の神」である。戦前、私達は戦争に勝つことで国は栄え、民は守られると教えられていた。命を惜しんで はならない。男は戦場に行き、命は鴻毛より軽いものと思い勇敢に戦う。女は夫や息子を喜んでさしだし、戦死の報に泣いてもいけないといわれた。戦中、戦死 の報は「おめでとうございます」という言葉と共に届けられた。靖国神社に神として祀られ国の守護神となり、「英霊」と讃えられた。
祭政一致の戦前の日本で、国家神道は戦前の軍国主義日本の背骨であり、靖国神社は、すべての日本の戦争を絶対正義とみせ、忠勇無双の兵士を讃える根幹装置 であった。戦死という肉親にとって耐えがたい事態も、国が神さまと讃えてくださることで、名誉に変えてしまう。国家神道の恐ろしさ。だからこそ、日本国憲 法は厳しく政教分離を定めたのであり、憲法九条の平和主義と裏表の関係にあると私は思う。

政教分離に反する首相の靖国参拝。そして安倍政権のすべての行動が戦後民主主義を大事に思う私の心をずたずたに傷つけた。

傍聴席から不規則拍手、ただちに衛視から制止が入る。

* 関千枝子
1932年3月生まれ。毎日新聞記者を経て全国婦人新聞記者・編集長などを歴任。
著書に『広島第二県女西組─原爆で死んだ級友達』(筑摩書房)、『図書館の誕生─日野市立図書館の二十年』(日本図書館協会)など。『広島第二県女西組』で日本エッセイスト倶楽部賞受賞